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企画展終了

開催日:2023年10月7日(土)~2024年1月28日(日)

『ピカドン』とその時代

1950年8月6日、画家の丸木位里と赤松俊子(丸木俊)は、『ピカドン』と題する小さな絵本をポツダム書店から刊行しました。
連合国軍の占領下、そして朝鮮戦争勃発直後の緊迫した時代に、『ピカドン』は検閲によって報道が禁じられていた原爆の惨状を、「原爆の図」とともに人びとに伝えました。反米目的の出版物としてたびたび押収されたという証言もあり、原画は行方不明のままです。
1965年に岩波新書『ヒロシマ・ノート』を書いた大江健三郎は、『ピカドン』の挿絵をカットに使い、「『ピカドン』という小さな絵本のことを記憶している人々が、果たしてどれだけいるだろうか? オレンジ色の紙表紙に、ひとりの老婦人の肖像が描きだされた、この絵本はすばらしく衝撃的な内容をはらんでいる。僕はここにおさめられた六十四葉の絵とそれに附された短いが確実な文章のすべてが復刊されることを望みながら、そのおおよその内容を紹介する」と記しています。
その後、『ピカドン』はいくつかの出版社から復刊されてきました。しかし、初版オリジナル版をできるだけそのままに復刻したのは、今回、琥珀書房から刊行された『ピカドン』が初めてです。また、今日の視点から『ピカドン』の意義を捉えなおすため、小沢節子、鳥羽耕史、鷲谷花、高橋由貴、岡村幸宣という5人の研究者による解説を収めた別冊も制作し、2冊組の刊行となりました。
今展は、その刊行を記念して、あらためて『ピカドン』を見つめなおし、さらに位里と俊が「原爆の図」を描き全国を巡回した同時代の表現の軌跡を、従来あまり知られていなかった版画やポスターなどの複製印刷物を中心に紹介する試みとなります。また愛知県岡崎市の徳応寺に伝わる1950年代に地元の小学生が描いた「原爆の図」模写も特別展示し、「原爆の図」のイメージが複製され社会へ広がっていく軌跡をたどります

丸木位里・赤松俊子 ピカドン 1950年 平和を守る会編 ポツダム書店刊

京都綜合原爆展ポスター 京都大学同学会主催 1951年

赤松俊子絵 木版画 原爆之圖 1950年

徳応寺版原爆の図 岡崎市立男川小学校児童制作 1956-57年


■『ピカドン』(初版オリジナル復刻版)/『ピカドン』とその時代

琥珀書房 2023年 定価:本体1,800円+税(2冊1組、分売不可)
※琥珀書房のオンラインショップからもお求めいただけます
https://kohakubooks.com/all/pikadon/

◉『ピカドン』(初版オリジナル復刻版)
 絵・文 丸木位里・赤松俊子(丸木俊)、編集:原爆の図丸木美術館
 ※オリジナル版『ピカドン』(平和を守る会編、ポツダム書店刊、1950年)

◉『ピカドン』とその時代
 カラー口絵 幻灯ピカドン/「原爆の図」展ポスター/「原爆の図」関連木版画
 はじめに 岡村幸宣(原爆の図丸木美術館学芸員)
 『ピカドン』―たぐいまれなる物語 小沢節子(日本近現代史研究者)
 『ピカドン』と「原爆の図」全国巡回 岡村幸宣
 『ピカドン』という出版物の流通と変遷について 鳥羽耕史(早稲田大学文学学術院教授)
 幻灯『ピカドン―広島原爆物語―』について 鷲谷花(大阪国際児童文学振興財団特別専門員)
 『ピカドン』と大江健三郎『ヒロシマ・ノート』 高橋由貴(福島大学人間発達文化学類准教授)


■関連イベント

◉ 『ピカドン』とその時代 刊行記念トーク
 10月28日(土)午後2時
 小沢 節子(日本近現代史研究者)
 鳥羽 耕史(早稲田大学文学学術院教授)
 鷲谷 花(大阪国際児童文学振興財団特別専門員)
 高橋 由貴(福島大学人間発達文化学類准教授)
 山本 捷馬(琥珀書房代表)
 岡村 幸宣(原爆の図丸木美術館学芸員)
  ※出演者は予定、当日変更の場合あり

◉幻灯『ピカドン―広島原爆物語―』上映・徳川夢声『連鎖反応 ヒロシマユモレスク』朗読の会
 11月11日(土)午後2時

 片岡 一郎(活動弁士)
 共催:令和5年度科学研究費助成事業(基盤研究B)冷戦前期・東アジア英米文学のジオポリティックス(研究代表者:吉原ゆかり)
 このイベントの詳しい情報はこちらから

※いずれも参加費無料(美術館入館料別途)


まるで地獄じゃ…原爆惨禍伝える絵本「ピカドン」 初版復刻、展示も
 —2023年10月25日 朝日新聞 埼玉版

『『ピカドン』/『ピカドン』とその時代』(琥珀書房) 書き手:岡村幸宣
 —2023年10月27日 ALL REVIEWS


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