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開催日:2019年11月23日(土)~2020年2月16日(日)

長沢秀之 対話「私が生まれたとき」神戸 25年あと(未来)の記憶 

2020年1月17日は、阪神淡路大震災から25年という節目にあたります。
長沢秀之は、下層に描かれた像の上に短い筆致で絵具を塗り重ねる油彩画のシリーズで知られる画家で、絵の具の重なりに時間の重なりを見たてた制作をしてきました。

2014年に丸木美術館で発表した「大きいゴジラ、小さいゴジラ」は1954年の映画『ゴジラ』を大きいゴジラとし、2011年の福島第一原発事故によって無数の小さいゴジラが発生したとするもので、独自のアプローチで過去の歴史と記憶を見つめる制作活動を行ってきました。

 対話「私が生まれたとき」シリーズは2015年に始まり、2017年の奄美編を経て今回の神戸編につながっています。
長沢にとって「対話」とは死者との対話にほかなりません。しかしその死者とは生者でもあり、現在に生きるわたしたちをもさします。それはドローイングすることのなかに現われてくるものです。

神戸編では、その土地に住んでいるひとに「私が生まれたとき」ではじまる文章と関連する写真を提供してもらい、その写真をもとに描いたドローイングや絵と文章を組み合わせて展示します。

震災のただ中にいたひと、そのときまだ生まれてないひと、多様なひとのイメージが、過去、現在、未来という直線的な時間軸を解きほぐし、ひとの記憶と思い起こすことによって生まれるあらたな時間を提示します。


「助けて」という次々と起こる声を無視できなくなり、その日は暗くなるまで朝飯、昼飯はおろか水も飲まず…
…春の日に祖母はこの世を去った
1983年、手

長沢 秀之
1947年埼玉県生まれ、武蔵野美術大学卒業。現在、武蔵野美術大学名誉教授、神戸芸術工科大学客員教授。1980年代後半から「風景—◯◯」と名づけられた一連の絵画を発表。主な展覧会として「現代美術への視点—絵画唯一なるもの」東京国立近代美術館(1995)「呼吸する風景」埼玉県立近代美術館(1999)「第五福竜丸ゴジラ」展 原爆の図 丸木美術館(2014)「未来の幽霊—長沢秀之展」武蔵野美術大学美術館(2017)など。
長沢秀之ウェブサイト


毎日新聞 2019年12月25日夕刊 無数の声、描き出す


会期中のイベント

作家によるオープニングトーク
〇11月23日[土] 14時 聞き手 :岡村 幸宣(丸木美術館学芸員)

トーク「ひとの時間、地の時間」
〇12月8日[日] 14時 ゲスト:市川 政憲(美術評論家)

トーク「からだと記憶」
〇1月19日[日]14時 ゲスト:服部 正(甲南大学文学部教授)

※いずれも参加自由(入館料別途)


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