企画展終了
開催日:2017年7月22日(土)~9月2日(土)
ジミー・ツトム・ミリキタニ展 路上の画家が見た世界 ―9.11、日系人強制収容所、原爆―
1920年にアメリカで生まれたジミー・ツトム・ミリキタニは、母の故郷・広島で育ち、日米開戦前の1938年にアメリカへ戻りました。その後、1942年から約4年間「敵性外国人」としてカリフォルニア州ツールレイクなどの日系人強制収容所に拘留。戦後、料理人などの職を経て、晩年はニューヨークの路上で暮らしながら、猫や花の絵を描きました。
しかし、2001年9月11日に「同時多発テロ」が起き、アメリカ国内でアラブ系の人たちへの風当たりが強くなると、70年近く前の記憶がよみがえり、強制収容所の絵を描きます。また、広島の産業奨励館(原爆ドーム)が炎に包まれる絵を描き、道行く人が目を止めると、待ち構えたように原爆の話をしたそうです。
2006年には彼の記録映画『ミリキタニの猫』(リンダ・ハッテンドーフ監督)が公開されて話題となり、2012年に92歳で逝去した後も、短編映画『ミリキタニの記憶』が公開されました。
「グローバリズム」のもとに弱者を切り捨て、「ナショナリズム」のもとに他者を排斥する荒んだ現代社会の中で、異国の路上に生きた彼の身体的思考が、私たちに何を伝えるのか。ぜひこの夏、多くの方に体感して頂きたいと思います。
会期中のイベント
オープニングトーク
7月22日(土)午後2時 出演:マサ・ヨシカワ(映画『ミリキタニの記憶』監督)
※参加自由(入館料別途)
ミリキタニ展ギャラリートーク
9月2日(土)午後2時 出演:坂本譲治(ミリキタニ研究者)
※参加自由(入館料別途)