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企画展終了

開催日:2016年3月5日(土)~4月9日(土)

POST3.11 光明の種

石塚雅子 迦陵頻伽 2014年

3.11において絶望の闇を体験し、その余波は今も続いています。3.11を境に世界が変わってしまいました。それは戦後日本の終焉で先の大戦と同じような時代の節目なのです。
美術家は、同時代の空気の渦中にいて見えざるものをまさぐり、その混沌の先に見えるものに形を与える役目を負っています。3.11に直面して自問した「何をなすべきか」を問いつめ、私たちは高密度に形を与える「結晶化」を見いだしました。それは昨年の東京都美術館で開催された「祭、炎上、沈黙、そして……POST3.11」に結実しました。そのあとに見えてきたものはなにか?
日常風景が3.11以後変わって見えるように、 あたりまえに感じていた資本主義や民主主義などの戦後日本を疑い、その自明性に抵抗する広く静かな、しかし確かな動きがあります。美術作家も同様な意識で察知し行動し始めています。この展示は五人が3.11以前に察知した予兆とこの先の希望の光源「光明の種」を見いだそうとするものです。

(企画:白濱雅也)


安藤栄作 ハート オブ フクシマ 2016年
白濱雅也 と金 2012年
半谷学 大きな水の中を歩く 2013年
横湯久美 2016年

安藤 栄作
1961年東京生まれ、1986年東京藝術大学美術学部彫刻科卒業、1990年福島県いわき市に移住、2011年津波により被災、奈良県明日香村に避難するという状況下で、現実社会の矛盾を見つめつつ、連帯や愛の根源的な力を木彫に託す。2003年リアスアーク美術館にて個展「N・E・blood21 vol6 Eisaku Ando」、2013年丸木美術館にて個展「光のさなぎたち」の他、ギャラリーTAGA、ギャルリー志門などにおいて多数開催。

石塚 雅子
1965年埼玉県浦和市生まれ、1989年女子美術大学造形学部洋画専攻卒業。螺旋や放射などの根源的な形象を用いたモノクロームの抽象的絵画を追求。2000年から写生を始め、震災以後は絶望の闇から光明を垣間みるような境地を拓く。 1993年 INAXギャラリー、TAMAVIVANT、 1998年ギャラリー日鉱 、2001年「遠心力/求心力」うらわ美術館、藍画廊、APS等他、多数開催。

白濱 雅也
1961年岩手県釜石市生まれ、1988年多摩美術大学美術学部卒業。90年代より物語的な不条理絵画や立体を発表、故郷の被災と親類の死を機に、鎮魂と再生の意を込めた木彫神像を彫り始め、2012年より通俗的な木彫像のリノベーション作品「と金」シリーズを発表。2012年越後妻有アートトリエンナーレはつがの家ディレクション担当。2014年帯広に移住、2015年より実験的アートスペースArtLabo北舟を運営。

半谷 学
1963年北海道帯広市生まれ、1988年武蔵野美術大学 大学院造形研究科修了。自然環境へのアプローチとなる作品を制作している。気仙沼市で牡蠣養殖の妨げとなっていた海藻などの廃材を独自の技法で素材に再生して作品に取り入れている。2013年個展「再生、負のイメージから美のイメージへ」(渋川市美術館)、2015年中之条ビエンナーレ2015年(群馬)、半谷学展 帯広市民ギャラリー(北海道)他、多数開催。

横湯 久美
1966年千葉県生まれ、1991年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業、1993年同大学修士課程修了。1998年ロンドン大学スレード・スクール・オブ・アーツ大学院彫刻科修了。現在横浜美術大学准教授。家族の老いや死を通じて、その在/不在をいかに受容するのかを探り、現代日本の死生観を見直している。ロンドン塔分館王立軍事博物館リ−ズ作品所蔵。2013年photographers’gallery(東京)個展他、多数開催。


会期中のイベント

オープニング・レセプション
○3月5日(土)午後2時より(山内若菜展「牧場」と共同)
 参加自由(当日の入館券が必要です)

ギャラリートーク
○3月12日(土)午後2時より(山内若菜展「牧場」と共同)
 参加自由(当日の入館券が必要です)


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