企画展終了
開催日:2021年10月30 日(土)〜2022年2月27日(日) ※会期延長になりました
生誕120年 丸木位里展 実験の軌跡をたどる
豪放にして繊細な水墨表現を通して、スケール感のある壮大な風景を中心に描き続けた画家・丸木位里(1901-1995)。位里の生誕120年にあたる2021年、原爆の図丸木美術館では、初期作品から晩年までを約30点によって紹介します。
広島の太田川の上流の農家に生まれた位里は、上京して伝統的な日本画を学んだものの、それに飽きたらず、1938年には前衛的な日本画団体である歴程美術協会に参加。1940年にはシュルレアリスムを標榜する美術文化協会に加わり、水墨画の多彩な技法を駆使して、抽象的で生動感に溢れる実験的な作品を制作しています。1950年には、妻の丸木俊との共同制作「原爆の図」第1部《幽霊》を発表し、それ以降、「原爆の図」は連作として15部まで描き続けられました。一方で1960年以降は、日本国際美術展、サンパウロ・ビエンナーレなど国内外の展覧会で作品を次々と発表し、高い評価を得ました。
本展では、屏風作品のほか、戦前・戦後の実験的な精神に満ちた水墨画、「原爆の図」を創作する核となった人体デッサン、近年の調査研究で明らかとなった未公開作品などに、俊との共同制作を加えて、丸木位里の画業を展観します。本展の会期中には、修復作業を終えた共同制作《南京大虐殺の図》(1975年)、《アウシュビッツの図》(1977年)、《水俣の図》(1980年)など壁画作品の常設展示を再開(2021年11月中旬以降を予定)します。
助成:公益財団法人ポーラ美術振興財団、公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団
生誕120年 丸木位里の軌跡たどる 東松山の美術館で企画展 初公開の7点も
—2021年12月5日『東京新聞』埼玉版