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企画展終了

開催日:2022年4月16日(土)~7月3日(日)

東北画は可能か? —千景万色―

方舟計画 2011年


「東北画は可能か?」という深い問いを発するプロジェクトは、2009年に東北芸術工科大学の日本画コース教員・三瀬夏之介と洋画コース教員・鴻崎正武によって立ち上げられた。2011年3月の東日本大震災に深くかかわる《方舟計画》は、その象徴的な作品と言える。このたび、原爆の図丸木美術館で「東北画は可能か?」展を開催するのも、20世紀の戦争の惨禍を象徴する連作絵画「原爆の図」を常設していることと無関係ではない。
「原爆の図」の共同制作者として知られる丸木位里と丸木俊は、一方で、各地の民話に関心を寄せて数多くの絵本を描き、とりわけ東北地方にはたびたび足を運んで、たくさんの風景画も描き残した。土地に根づいた人間のしたたかで豊かな暮らしと物語は、激動の時代を生き抜いたふたりの画家にとって、生涯の重要なテーマであった。その暮らしを奪われ断ち切られる不条理な痛みと悲しみも、またひとつの民話であったのだろう。
21世紀の東北に根ざした画家と学生たちの紡ぎ出す民話が、「原爆の図」のある美術館と接続する。この刺激的な試みは、亡き画家夫妻にとって、よろこばしい未来だったのではないかと想像する。そして現代を生きる私たちにとっても、それぞれの新たな問いが立ち上がる機会となることを願っている。


■関連イベント
●4月16日(土)13時 〜 14時30分
 オープニングトーク 「東北画とは何か?」
  岡村幸宣(丸木美術館学芸員) × 三瀬夏之介(東北芸術工科大学) × 鴻崎正武(女子美術大学)
●4月17日(日)13時 〜 14時30分
 南島興(横浜美術館学芸員)
●6月19日(日)13時 〜 14時30分
 石倉敏明(芸術人類学、神話学) × 小金沢智(東北芸術工科大学、キュレーター) × 三瀬夏之介
●7月2日(土)13時 〜 14時30分
 椹木野衣(美術批評)
●7月3日(日)13時 〜 14時30分
 「東北画とは何だったのか?」
 三瀬夏之介 × 鴻崎正武

◼︎クロージングイベント
●7月2日(土) 15時〜
 《Energy of dance》feat.「東北画は可能か?」pt.2
 パフォーマンス:メガネ × サイトウケイスケ × 花崎草
 O.A.:百姓一揆(DJ/東北芸術工科大学 企画構想学科2年)
●7月3日(日) 15時〜
 ライブ1 :叶芽フウカ(シンガーソングライター)
 ライブ2:「がいろ・がいろ・がいろ」DJ百姓一揆 × 鴻崎正武 × サイトウケイスケ

対話型鑑賞を体験しよう!
●6月19日(日)15時〜16時
 とびらプロジェクト出身のアート・コミュニケータと一緒に、グループで対話しながら美術館1階の展示作品を数点鑑賞します。
 *対話型鑑賞では、作品を見て自分で感じたことや発見したことを対話形式でシェアしながら鑑賞を行います。

 対象:高校生以上
 参加:無料(入館料別途)
 定員:先着15名(要事前申し込み)
 申込み締切:6月18日(土) *別途、受付完了メールを送付いたします。
 申し込みフォームはこちら 
 企画:サイトウケイスケ・藤田まり・田中美苗 
 協力:Flatart

■関連展覧会「後発的当事者」
 @原爆の図丸木美術館 2階アートスペース 会期:4月16日(土)〜6月11日(土)
【後発的当事者】は、実際にその事柄の関係者でないにも関わらず、その一端を担おうとする態度を指す造語です。本展では、東北画の活動の中で多くの人々や土地に触れ、描くことを足がかりに、東北という土地のもつ山岳信仰や震災の記憶に向き合い続ける渡辺綾、石原葉、富永和輝の作品を展示します。



■関連書籍刊行『東北画は可能か?』
2009年から現在までの活動と作品をまとめた書籍を2022年7月19日、美術出版社より刊行予定。
6930 円 172頁


「東北画」の可能性、探る挑戦 震災後の思い、脱中央の視点から問う 東北芸術工科大のプロジェクト展
―2022年6月14日『朝日新聞』夕刊

震災と原発もテーマに「東北画」深化 地域ならではの美術追求14年
―2022年6月29日『東京新聞』夕刊


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