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企画展終了

開催日:2012年5月26日(土)~7月7日(土)

福島から広がる視線 池田龍雄展

芸術は心や魂の領域にあるのだから、
人々の意識に働きかけることによって
緩やかに間接的に
世界を変えることは可能だろう


革命は、血を流すことなく
時間をかけてゆっくり、
心と魂の側から
なされるべきだ

散りそこねた桜の碑 2008年

1928年に佐賀県に生まれた池田龍雄は、海軍航空隊に入隊し、特攻隊員として17歳で敗戦を迎えました。
戦後、一時は師範学校で教師を目指しますが、「軍国主義者」と見なされて追放され、既成の権威や秩序に縛られずに 自由な表現の世界に生きようと決意して多摩造形芸術専門学校(現・多摩美術大学)へ入学します。
やがて岡本太郎や花田清輝らの研究会に参加し、前衛芸術の道を歩むようになりました。
1950年代には、社会問題への関心を高め、絵画によるルポルタージュの可能性を探り、炭鉱、内灘・立川などの基地闘争、 水爆実験、日本の再軍備などをテーマとした作品を次々と発表し、注目を集めました。
その後も美術界の第一線で活躍し、丸木美術館で毎年開催している「今日の反核反戦展」にも出品を続けています。

今展では、福島原発事故を主題にした《蝕・壊・萌》三連作を軸に、戦争や社会の歪みを表現してきた池田の近年の 作品を紹介しながら、現代文明が抱えている問題をとらえなおします。
「芸術は人々の意識に働きかけることによって間接的に世界を変えることができる」と語る池田の一連の作品は、
私たちの想像力を刺激し、未来に向けてどのように歩んでいくべきかを考えさせてくれるのではないでしょうか。

「蝕」―津波― 「壊」―原発― 「萌」―復興― 2011年


ヒロシマに原爆が炸裂し
核の魔力で数万の命が奪われたとき
一人の詩人が叫んだ
 ニンゲンヲカヘセ!
だがその声は何処に届いたのか


フクシマで原発が破裂し 核が暴れだし
人間が虫けらのように追い払われている
土地が奪われ
暮らしが壊され
作物も
牛も鶏も
犬猫さえも見棄てられた
だから われわれは詩人に代わって再び
声高に叫ばなければならない
 ニンゲンヲカヘセ!
 クラシヲカヘセ!
 スベテノイノチヲカヘセ!

会期中の催し物

オープニング企画・池田龍雄講演会
○5月26日(土)午後2時
 参加自由(当日の入館券が必要です)
 当日は、午後1時30分に東武東上線森林公園駅
 南口に美術館の送迎車が出ます。

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