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開催日:2021 年7 月31 日 ( 土) 〜9 月30 日( 木)
菊田真奈 手についた焦げ跡にふうっと息を吹いて飛ばす
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戦災樹木とは第二次世界大戦中の空襲で被害を受けたにも関わらず生き延びた樹木のことだ。東京23 区には現在約200 本の戦災樹木が存在し、さらに戦災樹木と思われるが定かではない樹木が約150 本あると言われている。広島、長崎の被爆樹木の様な認定制度が確立していないという理由や、樹木は空襲以外にも火災や落雷、病気などで損傷する場合もあるし、その損傷を空襲での被害だと断定できる証言者が居なくなってきているという現状もあり、定かではないのだ。戦災樹木は多くが境内や、公園、駐車場など日常の思わぬところに存在する。その傷跡から現在と76 年前の距離について考える、菊田真奈の最新作を展示する。
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菊田 真奈(きくた・まな)
アーティスト。1986 年広島県出身。フランス・高等メディア• アート学校卒業。音、匂い、記憶といった本来写真では記録しづらい要素を、写真のメディアとしての限界を呼応させ視覚化を試みる。作品はフランス国立現代アートコレクション(FNAC)などに収蔵される。日本、フランスを拠点に活動。
https://manakikuta.com/
ひと 菊田真奈さん 戦災樹木を撮るアーティスト
―2021年9月21日『朝日新聞』朝刊(WEB版会員記事)