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企画展終了

開催日:2024年5月11日(土)~7月7日(日)

松下真理子 人間動物

屠畜場からの眺め 油彩、キャンバス 2024年

この度、原爆の図 丸木美術館は、松下真理子による個展『人間動物』を開催いたします。
松下はこれまで、生きる痛みや性愛、「人間とはどのようなものか」を追いかけつづけ、絵画をはじめとする様々な表現で、国内外から注目されてきました。
本個展『人間動物』では、「人間と呼ばれているもの」と「動物と呼ばれているもの」を隔てない、新たな思想的深淵に踏みこんだ作品群が発表されます。
新作の絵画、古いシーツによる大型のインスタレーション、ドローイング、旅のノート等を初公開いたします。
また松下は、ガザへの空爆が開始される直前までパレスチナに滞在しており、虐殺がはじまってから、日本ではもっとも深くこの事態に呼応した表現者のひとりでした。
原爆の図 丸木美術館にて、松下が描く「檻のむこうの色」に触れた後では、世界の姿はまったく違ったものに感じられるでしょう。
「人間と呼ばれているもの」もまた、狭い檻に囲われた動物であるとき。檻のむこうに、ちらちらと光る色が見えたなら。それは、生まれて、眼が開いたときに、はじめて見るような色かもしれません。
ぜひ多くの方に、この貴重な展示に足をお運びいただけたらと願っております。

屠畜場からの眺め 2 油彩、キャンバス 2024年

小さな人々、赤い アクリル、段ボール紙 2023年

旅のノート 古紙、花 2023年8月

松下 真理子 まつした まりこ

1980年 日本の大阪府吹田に生まれる。
幼少期、最初の表現は、性的暴力からの治癒と理解のために書きはじめた無数の詩だった。
精神的な模索と言葉によらない方法を求め、芸術を志す。
2004年 京都市立芸術大学美術学部油画専攻を卒業。
工場での労働の傍ら独自の絵画表現を再開し、2016年《Margarita7》をはじめとする作品群で、第二回CAFFA賞(CAF・アーティスト・アワード)グランプリを受賞する。
翌年、ロンドンにてデルフィナ財団のレジデンスに滞在し、インド、ペルー、韓国、サウジアラビアなどの女性芸術家たちと親交を結ぶ。のちにアウシュヴィッツ、フィリピンの「赤い家」などを訪れ、絵画を制作する。
2020年 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチに影響を受けた「愛の飾らぬ言葉において」、2021年J.M.クッツェーの著書から名付けた《Friday》を含む「人間の声」を発表し、重要な転換期を迎える。
2022年には、自らが発案・企画した、アマポーラ・プラダ(ペルー、リマ在住)との二人展「生命」を開催。
2023年の7月から8月まで、占領下のパレスチナヨルダン川西岸地区に滞在していた。

[主な個展]
2023年「すべて水に映る」KEN NAKAHASHI、東京
2021年「人間の声」現代芸術振興財団、東京
2020年「愛の飾らぬことばにおいて」GINZA ATRIUM 銀座蔦屋書店、東京
2020年「居住不可能として追放された土地」KEN NAKAHASHI、東京
2018年「Silent Resistance to Oblivion」KEN NAKAHASHI、東京
2016年「イド」matchbaco、東京

■関連企画 
2024年6月29日(土)午後2時から 参加無料(当日の入館券が必要です)
トーク「国境と動物」:松下真理子、松下新土(司会)

■関連書籍
展覧会カタログ「松下真理子 人間動物」
A5判カラー32頁 頒価1100円(税込) ほとんどの出品作品、会場風景写真を収録

通信販売をご希望の方は、下記の郵便振替口座に希望部数×1100円+送料(2冊までは430円)をご入金ください。その際、かならず名前、住所、電話番号を明記のうえ、通信欄に「松下真理子展図録」とご記入ください(ご記入できない場合は、丸木美術館のお問い合わせフォームにてお知らせください)。
郵便振替口座 00150-3-84303 公益財団法人原爆の図丸木美術館


ガザは「炉」の中に アートで問う虐殺 パレスチナ滞在の画家が個展
 —2024年6月19日 朝日新聞デジタル(有料記事)


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