企画展終了
開催日:2016年11月16日(水)~2017年1月14日(土)
特別展示・富山妙子 終わりの始まり 始まりの終わり
幼少期を満州で過ごし、戦後はアジアの戦争の深い傷痕を見つめ続けてきた富山妙子の新作油彩画2点を含む特別展示。傀儡国家・満州からはじまり、2011年の福島原発事故へ――絵画・コラージュとともに、詩人・藤井貞和による言葉も提示され、近代社会の破綻の歴史が芸術によって語られます。
協力:火種工房、多摩美術大学美術館
富山 妙子 taeko TOMIYAMA
1921年神戸市生まれ。少女時代を旧満州、大連とハルビンで過ごす。戦後は炭鉱、第三世界、韓国、戦争責任をテーマに制作。絵のシリーズと高橋悠治の音楽との映像作品を制作し、国内外で展覧・上映会を行う。近年の主な展覧会『富山妙子・記憶のコラージュ』ノースウエスタン大学(USA、2004年)、『大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ「富山妙子全仕事展」(2009年)、『植民地と富山妙子の画家人生』(東京YWCA、2010年)。自伝『アジアを抱く 画家人生 夢と記憶』(岩波書店)、画集とDVD『蛭子と傀儡子 旅芸人の物語』(現代企画室)。
会期中のイベント
―絵と音楽と詩が出会って時代を解く―「何も信じられない時代に何を語る?」
日時 12月3日(土)13時より
料金 500円(入館料別途)
出演 絵:富山妙子(画家)/音楽:高橋悠治(音楽家)/言葉:藤井貞和(詩人)
高橋 悠治
1938年東京に生まれる。1960年代に草月アートセンターで前衛音楽運動に参加し、以後ピアニスト・作曲家として活動多数。1970年代は日本で音楽雑誌『トランソニック』を編集。1976年から画家・富山妙子とともにスライドと音楽による物語作品の製作を続ける。1978年にアジア民衆の抵抗歌を歌う「水牛楽団」をつくり、月刊『水牛通信』を発行。詩人・藤井貞和とは1995年以来コラボレーションをつづけ、2000年に劇場作品『泥の海』を上演。
藤井 貞和
詩人、日本文学研究者。1942年東京生まれ。和歌、古代歌謡、沖縄歌謡などから多彩な言葉を集めて日本語の可能性を探求し続けると同時に、戦争、いじめ、家、民族、女性など現代の問題に対峙し続けてきた。近年の著作に、『人類の詩』(思潮社)『文法的詩学』(笠間書院)、『言葉と戦争』(大月書店)、『水素よ、炉心露出の詩――三月十一日のために』(大月書店)など。