《簪》はスマの最後の大作です。俊は「猫がおり、犬がおり、鳥が飛び交い、花が咲き誇り、おばあちゃんの生涯の曼陀羅図となりました。私たちは、きらきら輝く簪をこの絵の題名にして、働きとおした女、おばあちゃんの生涯を飾ることにしました」と書いています。現在の丸木美術館の空間の最後の時間に、位里、俊、スマの代表作をならべて「簪」の名で展覧会を飾ることにしました。

丸木美術館ひろしま忌は、高齢者福祉施設「デイサービス楽らく」を拠点にするケアとアートのプロジェクト「クロスプレイ東松山」と連携し、白神ももこのパフォーマンス「やまんば、かい。」を上演します。丸木俊が夢想し、松谷みよ子、石牟礼道子らに語った「やまんば会議」のイメージを手がかりに、現代のさまざまな声が集う場を創り上げます。